先月の皐月杯の再現のようだった。
金澤敏明棋士の指した▲6五銀の場面を縮図に考察してみる。
▲1五香を諦めた意図は、▲6五銀の局面で△4八銀成を未然に防ぎきる大事さ。
例えば△4八銀成を打てば▲3五飛△2八角成▲1三桂成〜▲1五飛もあり得る。
従って△2六銀成が中心に指されているのだ。
金澤敏明氏にしてみれば先に香を儲けたのでもしも角を取られてもこちらの利が大きいという狙いだっただろう。
ここで前述した昨年の佐藤-中村戦では▲1三桂成という凝った攻めを強行したのだが、△同桂▲1四歩△3四香▲6四銀△同歩▲4一角△1二歩▲1三歩成△同歩▲7四角成△9六歩と進行した局面は非常に手ごわく、実戦においても後手佐藤が勝っていた。
金澤敏明棋士はこのあと▲6四銀が優っていた。
先月の皐月杯で、同じく金澤敏明-山下敏子という対戦カードで現れた展開でもある。
そして以後▲6四銀△同歩▲3五飛△2四銀と盤面が繰り広げられる。
以前の如月カップの際などには山下氏も巧みに交わし往なして居たのだが、先月の対局の際にはこの術中に見事ハマり、結果的に回避できぬまま浸かってしまう結果となっていた。
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