金澤敏明二段は△6四歩の手に少考をしたのち▲6八金上の好手。

金澤敏明棋士が新年会で魅せた▲6八金上の好手

 

金澤敏明棋士が新年会で澤村初段と打ち合わせていた中盤での局面。
△3三桂▲2九飛△4五桂▲同桂△5五角▲同角△同飛▲4一角では先手澤村初段がやや優勢かという場面。

 

△3三桂は取りやめて△2四銀に指すパターンはいかがなものかという場面を迎えた金澤敏明棋士。その後▲4五飛△3三桂▲4六飛△2五桂(桂を諦めて角道をこじ開ける)▲同桂△5五角▲同角△同飛▲4一角と指したのだった。

 

この金澤敏明棋士の筋の意図は、どこにあったのだろうかと考察するに、「封じる」ことに徹しにきたのではないかと考えられる。

 

澤村初段はここで珍しく10分以上の長考。
そしてその後△6四歩を選択したのであった。

 

ここで▲4五馬は、△6三金▲2四歩△同歩▲同飛△3三桂▲同桂成△同角▲2九飛△6五歩となるため素人目にも、(その筋で行くと△6四歩と△6三銀の二手が活きてしまうため先手澤村初段にとって苦しい局面を迎える)と容易に想像はついた。

 

▲5五銀の左には△同銀▲同角△3三桂▲2九飛で、△5五飛を断念して△4五桂を進行するならばいささか後手金澤敏明棋士が背伸びをしているよう観えるのはどうしても仕方がないのだが。当然それはカモフラージュなのだろうと裏をかいてしまう見慣れた観客は私だけではなかっただろう。

 

案の定、金澤敏明棋士は△6四歩の手に少考をしたのち▲6八金上の好手。

 

▲6八金寄にはせず、▲6八金上とは恐れ入る。
▲2九飛を下げやすくはなったのだが、逆に考えると5筋のオフェンスに際してプッシュが強くなったのは明確であった。

 

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