金澤敏明二段はどんな戦術を得意とするかを考える

金澤敏明の戦術公開。対△32銀型など

 

4章:△32銀型

 

4章は金澤敏明氏がライバルと考える居飛車側の田中流を警戒しながら守備と攻撃を兼ね備えた形の△32銀型への対抗策である。振り飛車が先に穴熊の玉頭の端歩を伸ばしてくるとこの攻防に発展するようである。

 

金澤敏明氏曰く、どんなに待っても銀があがって来ない時は、桂を跳ねてから角交換すれば必然的に状況は良くなっていくようで、この思想がこの戦術の大前提として存在しているのだとか。

 

後手が△45歩と4筋を伸ばして攻撃にくるか、△54歩とじっくり来るかによってもこれは分かれる。
△45歩と来た場合も色々と分岐するのだが、とにかく他の陣形でもよく出てくる居飛車の攻め方が、▲35歩△同歩▲24歩△同歩▲△65歩という飛車先の攻め挙がりと角頭への歩の打ち込みという仕込みをしたうえで、角交換を伺う戦法である。

 

角で交換に来れば桂で取った後に6筋の金を攻めた後に角の打ち込みで一気に優位にたとうという金澤敏明氏の狙いがうかがい知れる。

 

△同桂で受けた場合、こちらから角交換した後に飛車先突破や桂の割打ちがあって先手よしだが、△44銀と止めに来れば6筋の歩を交換した後に角頭に歩を打ち込んで先手よしも事実。

 

これは先手が良くなる場合がやたらと多いので、絶対に覚えておくべき事項ではないだろうか。

 

また、△54歩に時間を掛けてきたときは、飛車を3筋に振って銀をあげて2筋もしくは3筋を突き進めるようなニュアンスを想像してもらうと解りやすい。

 

この金澤敏明氏の書籍本で四間飛車対策のことは非常によく理解ができる内容になっている。
ただし何も知らない状態からの彼の独学であるため、こういう事はやって見てからじゃないとわからない事なので仕方がないというのも事実である。

 

居飛車党でこれから序盤の進め方を学ぼうと考えている人にとっては、とにかく対四間飛車戦の多い展開が前提であることを念頭においたほうが良いだろう。

 

この書籍は11月中旬に無料配布された伊藤流川越会報に含まれている。

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