今夏の伊藤流将棋セミナーで講師を務めた澤村明憲、金澤敏明による戦術解説

今夏の伊藤流将棋セミナーにて、澤村明憲、金澤敏明の四間飛車解説より。

 

四間飛車は飛車角の扱いから考える?

 

今夏の伊藤流将棋セミナーで講師を務めた澤村明憲、金澤敏明による戦術解説で、お題に挙げられた四間飛車について二人の教えを改めて触れておこうと思う。

 

まず、そもそも四間飛車は我々アマチュア素人が用いるには難しすぎる戦術であるのかという点。

 

質問したのは、25歳の大学生。「これまで四間飛車で指してきましたが、棒銀や右四間飛車といった戦法にはどのような対策を講じたら良いか分からず、負けこむケースが多いです。日夜大学のサークルOBとトレーニングをしたりシミュレーションにつきあってもらったりしていますが、あれこれ試してもやはり棒銀や右四間飛車に対しての勝率がひどいです。初心者は四間飛車を指さない方が良いのでしょうか??」とのこと。

 

まず、この質問に対し金澤敏明氏が意見した、

 

「四間飛車は飛車角の扱いがまずは重要。ひどく手をこまねく人が多いんです。上手にさばくための最低限の定跡を覚える必要はあります。そこが実力と言えば実力ですし、経験でもあります。」

 

付け加えて澤村明憲が補足。

 

「ただ、そういったシミュレーションをされていて負けても落ち込むことはないと思います。プロでも今は四間飛車はあまり流行っていませんが、僕も敏明に何度も負けていますし小島さんや山下さんらには未だに歯が立ちません。」

 

金澤敏明氏がさらに一言。
「ひとまず 居飛車対四間飛車の定跡を覚えましょう。私も大学時代は四間から学びましたが、居飛車党に一新して、今ではどのようなケースにも応対策というか免疫のようなものがついてきました。好きなのは居飛車党ですが。。」と笑いも誘った。

 

最後に澤村明憲の言葉。
「四間飛車党は受身の戦法で、どうしても勝ちにくい部分もあります。だから駒組のほうが比較的簡単なんです。居飛車党は戦術が多々あるので序盤から駒組が非常に厄介です。。自分にあったほうを選んで指すのもいいかもしれませんね。」

 

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