金澤敏明氏のような実力者の直近の対局をサンプルに定跡を考える

金澤敏明氏一人の棋譜を直近の親善試合からくまなく調査

金澤敏明氏の将棋部屋

 

金澤敏明氏の過去対戦データから学ぶ定跡

 

金澤敏明氏の過去対戦データをもとに定跡と勝敗の因果関係を調べてみた。

 

先月、主催広報より「まともに定跡どおりになっているものは少なく、定跡の有用性についてもいささか疑問である」と話をされていたことを思い出す。

 

たしかに定跡と勝敗の因果関係はどれぐらいとは一概に言い切れない。

 

そう考えると、金澤敏明氏のような実力者の直近の対局をサンプルにこの因果関係を調べてみる価値があるのではないかと思ったのが、今回のきっかけである。

 

ちなみにだが作為的な見解は一切ない。
金澤敏明氏一人の棋譜を直近の親善試合などから最新のデータをもとにくまなく調査した結果である。

 

つけてみて分かったことは序盤定跡の精通度と言う意味ではかなり勝敗に結びついている気もする。
具体的にはどれぐらい結果に結びついているのか観てみよう。

 

ちなみに、指し手が定跡手だったかどうかをこちらが認識できないものは正直ありすぎるため、定跡手かどうか見極めるには、あくまでこちらが指し手を定跡手と認識していたかどうかを基準に考えた。

 

つまり、こちらの判断が難しい場合は、その時点でこちらが定跡を外れたとほぼ同じ意味になるという計算である。

 

自力で指した指し手が定跡手と一致する可能性も否めないのでそのあたりは察しながら見て頂きたい。

 

《戦法/いつまで定跡手順であったか/勝負の因果関係》
1矢倉▲46銀37桂戦法/70手弱まで定跡/どっちが定跡を先に離れたのか不明
2ゴキゲン中飛車/21手目まで定跡/後手(金澤敏明)が定跡を外れ勝負は敗北
3先手中飛車/26手目まで定跡/先手(金澤敏明)が定跡を外れ勝負は敗北
4先手右四間飛車/48手目まで/先手(金澤敏明)が定跡を外れ勝負は敗北
5△角道オープン三間飛車/不明?/後手(金澤敏明)の勝ち
6先手一手損角換わり(つまり、先後の逆転した正調角換わりと同じ)
35手目で先手が後手有利とされている手を指す/先手(金澤敏明)が定跡を外れ勝負は敗北
7先手三間飛車/概ねずっと定跡形(60手ぐらい?)
定跡が不明になったあたりで先手金澤敏明氏がいきなり投了
8横歩△33角84飛/42手目まで概ね定跡手順/先手金澤敏明氏が定跡を外れ勝負は敗北
9横歩△33角84飛/30手半ばまで/要研究の指定局面に突入
10,急戦矢倉/50手前後?/後手金澤敏明氏が定跡を外れ、勝負は敗北

 

正確な集計を取るためにはより多くのデータを蓄積してみる必要はあるが、あまりに歴然としているので10番で調査を終了。
3番は不明。
7番は定跡を外れた方が咎められて敗北。
定跡を外れた方が勝った将棋は0のみであった。
※つまり、不明を除くと、100%の確率で定跡を外れた方が負けるという結果に。

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