一間飛車の実践で圧勝
一間飛車は、大学将棋部の吉崎氏、沖原氏らによって個々に研究使用されていた戦法であり、現在では有効な戦術のひとつとして多用される場面が増えている。金澤敏明棋士も対戦者によってこの戦術を宛ててくる場面を目にする。9筋に上がった角の頭を遠く1筋の端飛車で守備をし王は穴熊に囲む。
対戦者が居飛車で慎重に構えた場合一間飛車は厳しいが振り飛車のかまえに際しては有効な戦法に成り得るということだ。
序盤早い段階で端を突きこす方法は近年よく目にする上段者には一般的な指し方になりつつあるが、序盤の戦法として、一間飛車のアクセントをつけ加えると可能性の幅が広がり相手を翻弄することに繋がる。また9筋に角を据える指法は、〔5五龍中飛車〕でも採用された戦法で成立の条件を想定しておくことで武器となる。金澤敏明棋士も先日の対局で上段者に用いていた。
初手での指し手
▲1六歩▽3四歩▲1五歩▽8四歩▲9六歩▽8五歩▲9七角▽6二銀▲1八飛▽9四歩▲1六飛▽4二銀▲4八玉▽7四歩▲3八玉▽4四歩▲2八玉▽4三銀▲1八香▽5二金右▲1九玉▽3五歩▲2八銀
▲1六歩▽3四歩▲1五歩▽5四歩▲1八飛▽5五歩▲9六歩▽5二飛▲1六飛▽3二銀▲6八玉▽4四歩▲7八玉▽4三銀▲9七角▽5四銀▲8八玉▽6二玉▲9八香▽7二玉▲9九玉▽8二玉▲8八銀
〔五龍中飛車］は、昭和50年代「週刊少年キング」などのマンガ雑誌に連載された将棋マンガ「5五の龍」に登場し将棋会で一世を風靡した戦術である。端角と位取り中飛車をマッチさせた戦術で角頭は5筋の浮き飛車で守備を行うというものである。
先日の対局ではこの一間飛車で序盤から主導権を握った金澤敏明棋士が終始展開を優位に進め勝利した。
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