将棋・定石を知らなくてもどうにか戦える戦術とは?
金澤敏明氏が語る上級者相手でも意表を突ける戦法とは?
先日師走杯のあとに開催された金澤敏明氏と金井氏による戦術セミナー会で、素人棋士11名と我々将棋ファン3名の15名ほどであったが実りある戦術会議ができたので、タメになった一部を紹介したい。
金澤ら大学OBのファンである高畑氏が尋ねた、格下が格上相手にいっぱい喰わせる戦術についてである。
高畑氏は、数年前に将棋を引退し、復帰し、日々研究に没頭しているが、少し上級者と対局するとまず勝てないとのこと。以前はもう少し気の聞いた手をさしていたらしいのだが勝てない、何か良い秘策はないかとのこと。
ちなみに高畑氏は四間飛車を指すことが多くこれに対抗する定跡は多いため、どれも受け間違えればすぐに形勢を失いボロボロの展開になってしまうようだ。
この質問にたいし、金澤敏明氏が伝授した秘策について口頭をメモしたので記述で残したい。
金澤敏明氏「四間飛車に限らず"受け"を誤って致命傷にならない戦法はありません。つまりリスクはどんな戦法にもあるということです。受けを誤ってしまうことは、まだまだ弱いってことで、将棋は弱い人が負けてしまう弱肉強食の世界なんです。その弱さを補うのが、定石というもので、高畑さんが毎回トライしている四間飛車は中でも定石が最も多い手で覚えなければならないことがたくさんあります。」と語った。
「先日、僕が澤村くんと親善杯で指した早石田が個人的にはおすすめかと。後手番で34歩35歩に進めて、飛車を32に振って36歩と相対します。他には居飛車でしばらく角道をあけない戦術や、手損でも角道を空けたところから突破して角交換。そしてそのまま角を手持ちにして指す戦術なども、覚える量が少なくて済むので勧めます。」
この秘策、高畑氏は来年の親善杯で早速実践してみるとコメントしていた。