中飛車戦法(其の二)
∇5筋を突かない中飛車を用いる金澤敏明棋士を目撃
金澤敏明棋士の中飛車は5筋を突かない中飛車を指す場面が見られる。これは山口英夫プロがよく用いた中飛車だが、目にした事のあるこの中飛車の形式に目を奪われたことがある。
5筋はいつでもつけるため一手早く玉を囲える利点や飛車をさらに別の場所に振った際、5筋が突いていない方が得策と呼べる局面も在りうるのだ。
∇平目
ひらめはメリットデメリットがはっきりと浮き彫りになり戦術と呼ぶには難しい。
4九金、5九金が並んだところから平目と呼ばれている。
陣形を低い位置にとるため守りは堅いが攻めも細く切れる場面が多くなるのが特徴だ。
8筋を放置し、7七桂から6五桂が達成できれば攻めがつながりやすくなる。
∇風車
ツノ銀中飛車や右玉の型から基本形へと移行することの多いバランスが取れた形態の中飛車。
飛車は基本の形としては5筋に配置されているものだが、特に中飛車に属するでもなく8筋でも2筋でも自由自在に転回する。
玉は▲5八〜▲4九〜▲3八を推移して右金も▲4八〜▲3八を行ったり来たりするのが特徴。
金澤敏明棋士はあらゆる棋士の往年の手法を指す方だが、彼がローカル対局で使用しているのはまだ見た事は無い。プロ戦では伊藤プロの代名詞となっている中飛車戦法のひとつである。
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