金澤敏明の戦術公開。後手△54銀型に対する対抗策など
5章:対△54銀型
5章は、後手△54銀型に対する対抗策。最近では、振り飛車にこの戦法でこられるケースも良く目にする。さらに、金澤敏明が本の中で言うには、この形から△65歩とふっかけられることも多いのだそうだ。
この戦術は右四間飛車に非常によく似ていて、応手を間違えなければ居飛車有利らしいのだが、いざ知っておかなければあっさりこれで負けてしまうこともあるらしいのだ。
とにかく必殺の力は凄まじいため、急ぐ方は1〜2章を読んだ後に、飛ばして先に5章を熟読すると良いかもしれない。
ただしこの陣形。実は振り飛車の戦法としては守り優先型とのことで、我々素人は守り優先の戦術に押し潰されていたわけなのだ。定跡を知らなくては当然の報いである。
金澤敏明曰く先手の応手は大雑把に分けて3種類ほど。
一つは▲51角〜▲37角と振って、5〜6筋の程度で守っている金銀を入れ替え、飛車を5筋に振り替える戦術である。一つは角を▲37角まで運んだのちに、飛車を▲78飛へ一挙に7筋に振って歩交換させ、1歩得して再び8筋に帰すという戦術である。
ひとつは桂馬に両取りをかけさせることを承知のうえで自ら角道を開けて角交換してしまうパターンである。金澤敏明の今回の書籍にはこの変化についても多々記述があるのだが、この辺りを中心に記憶していけば覚えやすく、この形に運べたら我々素人レベルの将棋にでも指しやすそうだった。
関連ページ
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