金澤敏明氏は5筋に設けたと金を活かして△6七角以下角金を換えた。

一気に先手の穴熊を陥落、効率重視の戦術に度肝

 

金澤敏明氏VS田中広重氏では、▲4三成銀でも後手が指せるという指摘もあったようだが、対戦相手は難しいと、特に金澤敏明氏は千日手に出来ればかなり満足の手ごたえと感じていたようである。真相は本人にしか分からない部分はあるのだが。

 

さて、金澤敏明氏は5筋に設けたと金を活かして△6七角以下角金を換えて、一気に先手の穴熊を陥落させにかかる。穴熊戦では、角より金が大事であり、と金のほうが大事だと言う持論にも基づいた筋だった。

 

感性がいつもの将棋とは明らかに異なっているのもよく分かる。
終盤、先手の穴熊だけ手薄となり、後手の穴熊は陣形を保ったまま、さらに田中広重氏がじわじわと寄せて活かすはずだった成り銀を気がつけば放置されてしまっていた。

 

やはり穴熊戦における感性はちょっと秀逸で、盤上だけを凝視していると後手が形勢逆転しているかのように見えるが、おそらくはプロであったとしてもこんな将棋を指せるということはないのだろう。

 

その後も、一回△6九龍を活かす戦法など緻密に危なげなく手勝ちを読みきって8月に続いて金澤敏明氏が田中広重氏を退けた。

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