金澤敏明二段の△6六角に際しては▲7七銀で合い駒するのが明確だった。

花見に勝る盤上の乱舞

 

世間では桜前線が日本列島を左から横断していくお花見シーズンの真っ只中。
埼玉某所では最近観戦した対局の中でも指折り数える熱戦が繰り広げられていた。

 

近隣では向かうところ敵なしの勝率を誇る金澤敏明棋士に対し、彼を敗北させる勢いで追い詰めたのは、澤村初段の大学の先輩にあたる石川(尚)氏。

 

これまでこの二人はローカルトーナメントなどで顔合わせはしていたが、実際にこうした親善試合を組んだことはこれまでなく所見に近かったと語った。

 

互いに対局前は笑顔で懇談会し、その後、長い長い4連戦へと突入するやいなや、プライドが激突する本気の対局となった。

 

その連戦初戦、先手は石川氏。

 

▲6九玉を下げれば寄りは警戒の必要はなかったが、金澤敏明棋士が△6八飛成から△7二角に手を戻したため、やや難解な表情を浮かべていた。

 

局面を決めたかったのであろうか?▲同銀と応接する石川氏。

 

△同歩成▲同玉△6六角と進んだ場面。

 

普通に考えても▲7九玉に下げそうな場面だが、△8七桂▲6九玉△6八飛成▲同玉△8八飛となった場合をケアして場が重たかった。

 

飛車合いは詰みとなるため、金合いか銀合いが考えられたが銀合いとすれば飛車取りができなくなるため、△7九銀として追跡を繰り返した後に△7二角と戻されてしまう。

 

こうなれば金合いしか選択肢がないのだが
△7九銀▲5九玉△4八角成▲同玉△7八飛成▲6八金打△同龍▲同金△7二角となり、
穴熊が遠方から効力を発揮してくる。

 

従って金澤敏明棋士の△6六角に際しては▲7七銀で合い駒するのが明確だった。

 

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