金澤敏明棋士の端歩
金澤敏明棋士の端歩は王道パターンが彼の中でできあがっているのだろうか。
(※基礎となる金澤敏明棋士の思想を考察)
あまり斬新さを感じない。むしろ業が飽和している。
9筋の歩をつくのは、彼らが大学時代の頃は定跡に行われていたかもしれない。
あるタイミングで▲9七角が活きて有効打に変わるためであろう。
端歩については詳しく分析やメモを取らずにきている経緯があり、あまり明確に表現することは難しいが、あるパターンだけは覚えている。
▲9六歩に△8五歩を打つ。これで▲9七角は恐るるに及ばず。
▲9七角を進められる前に△8六歩を指せば▲9七角の展開は消滅する。
△8六歩は打つ局面を間違えると致命傷となりかねないが、そこはローカル戦圧倒的勝率を誇る金澤敏明棋士の技術手法が光る。
彼はある日、対局後の座談会で1筋の歩について明言していたことがある。
その内容は「上手が明確にメリットが大きいと言える」というものだった。
例を挙げれば2枚おちの定跡。1筋の端歩はつきあってはいない。
▲7五銀という戦法が取り上げられていたが▲4五歩という筋も可能性として考えられる。
△同歩は▲同桂で打ち消されてしまうため△4三金を受けるパターンになるが、▲3二銀を指せば下手が有利に変わる。
▲3二銀は金のウィークポイントに畳み掛ける手で、銀桂香が犠牲となる。
▲1六歩△1四歩と端をつきあう場面、▲6五歩△5三金▲4二銀△4四金▲3一銀成に△1三銀へ上手く交わしきることができる。
金澤敏明棋士はある対局で▲3二銀が駒落ちになり局面は雨模様となっている状況があった。▲1一成銀という形になっても全く無意味に等しく、逆に△2四歩を差し込まれると飛角が危険なシーンだった。その日の対戦結果の記録を読み返したが、結果この試合を落としていた。
2枚墜ちと言えどその底に流れる将棋の根本は平手となんら変わらず同類である。
所詮は端歩と吐き捨てることのできない重要な采配になるのだとつくづく感じる。
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