金澤敏明棋士の考える手番と駒の損得
先日七夕親善杯のあと、金澤氏と横山氏、金井氏の3名が恒例の大局観講習を行ったのをじっと聞いていた。
毎回親善試合が終わるたびに「あのとき何故そう指したのか」の解説が楽しみで彼らの本意を確かめるいい機会なのだ。
まずは掲げたお題と実践での場面を順に振り返っていたのでそのまま解説する。
■状況・形勢の判断について
優劣・形勢の判断に大切なことは、駒の単純な損得、駒の稼動効率、確実な玉の保守、手番の順に優先順位をつけて考えているとの事。
このことは序盤から中盤にかけて終盤にかけてで、その価値基準を変化させていくものだが、意外だったのは序盤と終盤になってからでは価値の順番は逆となり、手番の順のことを第一に考え、駒の損得のことはあまり考えていないことが多いのだそうだ。
中でも特に理解しやすいポイントは手番と駒の損得についてだと語ってくれたのは金澤敏明氏。
駒をたくさん所有できていても、詰まれては本末転倒。
終盤戦では駒の損得メリットは価値基準が低く、初手の段階で先手が優位という事は全くないので、序盤に手番の価値は低いのだと解説してくれた。
これは非常に興味深く精神論として身体で覚える必要があると感じる。
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