1回戦悲願の金澤敏明越えを達成した鈴木遥一氏が中村(安)と対戦。

悲願の金澤敏明越えの数時間後、夜間の激突。

 

1回戦悲願の金澤敏明越えを達成した鈴木遥一氏。
2回戦の第1試合、対局の相手は中村(安)。

 

別室で対局を終えたばかりの澤村や山下、金澤らも見守っている中、熱戦は幕を下ろされた。

 

振り駒で中村(安)が先手で開始した。角換わりの展開においては中村(安)は先手では右に出る者がいないほどの実力者。
またこれに対し鈴木遥一は後手の達人である。両者ともこの界隈では屈指の棋士である。
去年の弥生杯で一度対戦しているが、勝負では鈴木遥一が圧勝。しかし角換りでは中村(安)もいかにも渋い敏腕棋士らしい順序の工夫など披露し、それがそのまま定跡となったのだった。
今年も当然序盤ではかなりの攻防戦が見受けられると期待して多くのギャラリーが観戦に駆けつけた。
また別室では澤村戦に続き、金澤敏明氏がギャラリーに実況解説を行っていたので我々も副音声のように耳を傾けながらの観戦で解かり易かった。

 

微妙な順番での攻防はあったが、結局現在角換わりで非常に多く指されている展開になった。
鈴木遥一は必殺の△6五歩の形にも出来る展開だったため、こちらの方により自信があったのかもしれない。

 

その後、最近よく出てくる定跡が見受けられた。
先手は▲2五桂から▲2八角と指して後手は飛車を叩ききる展開。
当然両名とも互いの手を深く研究してきているはずだった。

 

中村(安)が最近のトーナメントの▲小島対△鈴木遥一の前例から離れる75手目▲7五同銀。
ところが、これがほとんど敗着に近い展開となってしまったのである。

 

後手が△2三金とした瞬間は、先手から3一に角が打てることがかなり脅威であったうえ、実際角交換をして入手もできた。

 

この状況では先手もまずまずではないかと思っていたのだが、実はよく考えるとかなり劣勢に立たされたポイントでもあった。
この状況下で中村(安)の真意が不可解である。

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