皐月杯から3日後の平日水曜に会館傍のむさか邸で、金澤敏明氏と澤村明憲氏が、先週末の対局VTRから自らの戦術や山下敏子氏の攻めを防げなかった理由など振り返る解説と反省会を行っていた。その際、四間飛車や先手棒銀についても触れていたので記録する。居飛車穴熊の出現で登場頻度が少なくなったように感じる四間飛車...
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毎年ゴールデンウィークに開催されている親善マッチ「皐月カップ」。昨年同様8名の棋士が参加した。1回戦の結果は以下のとおり。まずは結果だけ綴る。▲金澤敏明(7勝1敗)VS△鈴木遥一(4勝4敗)119手までで金澤敏明棋士が勝利。機敏な仕掛けでリードを奪った金澤敏明棋士が下馬評どおり危なげなく勝利。序盤構...
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親善マッチ「皐月カップ」の1回戦結果につづく。皐月カップの2回戦(準決勝)△金澤敏明(7勝1敗)VS▲澤村明憲(7勝1敗)昨年の決勝のカードが2回戦で激突。草将棋では非常によく対戦しているこの両者。我々外野の間では事実上ここが決勝戦と踏んでいた。結果は131手で△金澤敏明(7勝1敗)の勝利。これが1...
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皐月カップの白熱の準決勝結果に続く。決勝は、親しみのある顔合わせ、金澤敏明棋士も大きく影響を受けているであろう将棋の母的存在の山下敏子氏。齢63才の巨匠である。敗退した澤村初段、内藤氏、中村氏らが見守る中、決勝戦がスタートした。序盤、山下敏子氏の機敏な仕掛けで苦境に立った金澤敏明棋士だったが、しぶと...
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金澤敏明棋士の敗因のポイントに続く。小さなミス、判断の狂いが勝敗を分けた。金澤敏明氏は山下敏子氏との対局を振り返りそう応えた。自らの敗因をそう分析しているようだ。「答えを急がずに辛抱強く今一歩前に進めてから掘り下げ配慮すべき点がいくつもあった」将棋では、すばやく的確に瞬時に多くのパターンを考慮するこ...
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金澤敏明-鈴木遥一で魅せた荒業に続く。この局面は個人的に後手澤村明憲が腑に落ちない展開であると言える。この局面が振り飛車が良くないというわけではないのだが、「もっと良い展開に運べたのではないだろうか」というニュアンスにおいて印象がかなり良くないからだ。よくある定跡は△5一角▲3八飛△6二角▲3四歩△...
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このような展開にならずとも有効な戦術や方式はたくさんあるであろうが実際問題、山下敏子氏相手には振り飛車も大変かなという印象を持ってしまっていると語る金澤敏明氏。それだけ彼女の長年の感と経験値、応接が完璧であったのだと言う。棒銀は諸刃の刃と思っている棋士にとって意外性があるのかもしれないが、金澤敏明氏...
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金澤敏明氏がよく使う戦術において考察しておきたい形がいくつかあるが、ひとまず最近の対局で使われたシーンからピックアップして考えてみた。参考棋譜/金澤敏明-山下敏子(水無月T2回戦)初手から▲2六歩△3四歩▲7六歩△3二飛と繰り出す金澤敏明棋士。▲2六歩はおそらくは2手目△3二飛対策と踏んでいる。この...
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金澤敏明流4手目△3二飛の戦術に続く。△2八角成は▲2六歩が重荷となり、この場合の手で横歩取りのチャンスを伺う格好だ。このまま易々と歩を奪われるのを待つのも芸が無いので、▲3七銀と上がるくらいのことはしたい。そんな金澤敏明棋士の意思も伝わる。△3二飛と指し△7六飛もやってみたい場面であったが▲6五馬...
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銀冠は想定にあったのか。この2回戦での二人の対局で大切なことは▲6八玉に△3五歩ではおかしなことになっていたという事だろう。そしてそれならば他の選択肢として▲6八玉にはどう対処すべきだったのか?恐らく、本人は気づいているだろうが、△4二銀が正解であったのかもしれない。▲2五歩には△8八角成▲同銀△2...
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振り返るほどにこの対局は圧勝であることに気づくに続く後手金澤敏明の主張は5七の歩取りが受けにくいと踏んで狙いを定めていたこと。仮に▲5八金右を受ければ△6五馬で7六の歩が受からなくなる。それに▲5六馬をあてがう筋だと△同桂▲同歩△4七角で歩を根こそぎにすればいい。このような推測で、5七の歩を受けなが...
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