「本来は僕が善悪を言えるようなものではない」と念を押しての解説をする金澤敏明。

金澤敏明-鈴木遥一で魅せた荒業

 

皐月杯から3日後の平日水曜に会館傍のむさか邸で、金澤敏明氏と澤村明憲氏が、先週末の対局VTRから自らの戦術や山下敏子氏の攻めを防げなかった理由など振り返る解説と反省会を行っていた。

 

その際、四間飛車や先手棒銀についても触れていたので記録する。

 

居飛車穴熊の出現で登場頻度が少なくなったように感じる四間飛車だが、まだまだ根強い人気を誇るのも確かなようだ。

 

1回戦からポイント解説をしていたので順に考察する。

 

まずは1回戦。金澤敏明氏が1回戦の鈴木遥一戦で使っていた先手棒銀について考察。

 

初手から▲7六歩△3四歩▲2六歩△4四歩▲4八銀△4二飛▲5六歩△3二銀▲6八玉△6二玉▲7八玉△7二銀▲5八金右△7一玉▲2五歩△3三角▲3六歩△8二玉▲6八銀△4三銀▲5七銀左△9四歩▲9六歩△5二金左▲6八金上△5四歩▲4六歩△6四歩▲3七銀

 

▲4六歩と△6四歩を換えておくことが急所。

 

この交換を行わず▲3七銀は△1四歩▲2六銀△3二飛▲4六歩△1二香▲3五歩△4二角▲3八飛△5三角
と応接され先手がしぶい展開に運ぶのが狙い。

 

この進行では山下敏子氏も非常によく用いている手なので、「本来は僕が善悪を言えるようなものではない」と念を押しての解説をする金澤敏明。

 

決勝で敗退した自らの立場を謙虚に受け止め配慮しながら解説するあたり人柄がうかがえる。

 

ただここだけの話、山下先生もこの形の勝率は悪いのも事実。

 

ちなみにこの鈴木遥一戦では△1二香▲2六銀△3二飛▲3五歩と局面は進んだ。

 

金澤敏明-鈴木遥一で魅せた荒業

関連ページ

親善マッチ「皐月カップ」の1回戦結果から。
先日開かれた皐月カップの結果を記する。
2回戦で早くも金澤敏明-澤村明憲が実現
昨年の決勝カード金澤敏明VS澤村明憲が2回戦で実現した。皐月カップの2回戦の結果を掲載。
山下敏子が金澤敏明を下し初優勝
皐月カップ決勝戦の結果と印象を掲載。
トーナメント後の金澤敏明氏と澤村明憲氏のコメント
皐月カップの終了後の談話を掲載。
先手金澤敏明氏優勢となった理由に迫る
先手金澤敏明氏優勢となった理由を解説してくれた。
金澤敏明氏は先手棒銀で100パーセント近い脅威の勝率?
澤村明憲氏との2回戦での対戦のことを語る金澤敏明氏の談話を録音していたので文面にする。
金澤敏明流4手目△3二飛の戦術
金澤敏明氏が山下敏子戦で魅せた序盤の技を解析してみたページ
銀冠は想定にあったのか?
銀冠は想定にあったのか無かったのか?憶測でこの場面の利点を考えてみた。
振り返るほどにこの対局は圧勝であることに気づく
金澤敏明氏の2回戦での勝利は解析すればするほど圧勝というに相応しい内容だった。
金澤敏明氏の主張は5七の歩取りが受けにくさ
水無月T2回戦での勝利までのラストスパートを振り返る。