金澤敏明二段ら優勝候補があぶなげなく1回戦を突破。

親善マッチ「皐月カップ」の1回戦結果から。

 

毎年ゴールデンウィークに開催されている親善マッチ「皐月カップ」。
昨年同様8名の棋士が参加した。
1回戦の結果は以下のとおり。
まずは結果だけ綴る。

 

▲金澤敏明(7勝1敗)VS△鈴木遥一(4勝4敗)

 

119手までで金澤敏明棋士が勝利。

 

機敏な仕掛けでリードを奪った金澤敏明棋士が下馬評どおり危なげなく勝利。
序盤構想に定評のある金澤敏明棋士だが、格下ではなくこのあとの有段者との対決が鬼門となる。
将棋の内容自体、得意の向かい飛車や端攻め、いざというときの玉固めの保険など相変わらずの常套戦術が印象的。

 

△澤村明憲(7勝1敗)VS▲内藤光義(3勝5敗)

 

151手まで澤村明憲が辛勝。
内藤光義は痛恨の敗戦。最終局ではキャンセル待ち1番手となる。
澤村明憲初段は本局の勝利で通算300勝のメモリアル勝利を達成。
しかも対局者は因縁の金澤敏明棋士の愛弟子内藤氏。
実力者同士の対決にギャラリーが集まった注目のカードだった。

 

▲中村芳郎(5勝3敗)VS△山下敏子(4勝4敗)

 

127手で山下敏子が圧勝。シニア対決となった対局。
近代将棋で忘れている何かを思い出させてくれるようなピリピリしない笑顔の会話が飛び交う人情将棋が印象的だった。
意外にも勝敗は山下敏子氏の序盤の攻めで中村氏の防御壁が崩壊。
終盤もつれることなく早期に決着がついた。

 

▲島田良太(4勝4敗)−△遠藤春義(1勝7敗)

 

102手まで島田良太が圧勝した。
遠藤氏の穴熊の構想が若干欲張り過ぎに見えた。
島田氏はよく状況を冷静に打破して攻略していたと思う。
昨年と同様の1回戦での対局カードとなった。

 

皐月トーナメント
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