初戦は竜虎戦初顔合わせ、酒井の主観で考察していく
第34回川越竜虎戦
金澤敏明棋士 対 酒井明初段
8/14に開催された夏季恒例のローカルトーナメント、竜虎戦、1回戦の模様を考察してみようと思う。
初戦のは昨年2回戦で山下に敗退してリベンジに燃える金澤敏明棋士。対するは竜虎戦今年初参戦の酒井明初段。
今年も県外の大会などを荒らし、出稽古続きの酒井にとって金澤敏明氏は胸を借りて実力を試す相手としては十分過ぎる相手。
勝機もきっと見いだせると思っていたに違いない。
まずは序盤。もし相手が玉側の端歩を受けてくれたら、という想定での確認があり、これが吉と出た様子。
局面が動いたのは39手目。▲9六歩と端歩を受けた場面。
ここから△8五歩▲3七桂△4二角へとシフトチェンジしていくのだが、この角を引く手が長考を取って悩んでいたとおり一着。
ここから急速に端に戦力を集中させていくのだった。
47手目▲5五同角の局面はかなり時間を取って入念に手はずを整えているように見えた。
先手酒井明は手がなく1歩を手持ちにして後手金澤敏明の攻めを待ち伏せる格好となっていたわけだが、浮き駒ができた時点で△5二飛や△6四銀のような手があったか否か。
△5二飛に▲5八飛なら銀が出て簡単に後手良しでもあったのだが、▲4六角にあっさりと引かれて追撃の手が見えず、それよりも端をほぼ先攻できそうな場面でもあったのでセンターで戦う必要はないと考えたのだろうか。
51手目▲7九玉は端を狙ってきそうなので先に玉を逃がした手。
先手酒井明の待機としては当たり前といえば当たり前の手なりであるが、金澤敏明が放ったこの手がかなり想定外であったのか一気に動揺しているようにも見えた。
△9五歩▲同歩△同銀▲同香△同香はその後の香成りも王手とはならないため、▲9三歩から桂馬で飛車を陥落させるステップが一筋縄とはいかない様子であった。視線を変えて改めて盤面中央から攻め直したい場面であったが、手をこまねく酒井明初段。
結局彼が指したのは△6四歩。
しかしこれが致命傷となるのであった。
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