振り飛車だけでは難しいとなるとすぐさま居飛車を指し始めた金澤敏明氏の判断力

シンプルな振り飛車がプレッシャーとなる?

 

飛車を逃がさない金澤敏明氏。

 

その後、
△4九歩成▲4五金△3九と▲同玉△4七銀▲4八歩△3八銀成▲同玉△1八飛▲2八銀△4七歩

 

飛車取りにはわき目を振らず△4九歩成に移行した盤上。
最終盤で飛車を奪うために二手と持ち駒の金を使用した木村正一氏。それならば、餌巻きは成功したといわんばかりに行動に出る金澤敏明氏。
△3九と▲同金は△5八飛で受けが無いため、▲同玉にはこれしか戦法が思いつかないのも事実。△4七銀と被せて一つ一つ寄り筋で攻めた。

 

そして、▲2六歩△4八歩成▲2七玉△2八飛成▲同玉△3八銀▲2七飛△3九と▲6一飛△2九銀成

 

▲2六歩は木村正一氏も最後の粘りだったが△4八歩成から飛車を切って△3八銀の原銀まで、見事な寄せで押し切った。▲2七飛には正直驚いたが、冷静に△3九で受けはしなかった。

 

スローな展開だったが最後は美しく勝負が付いた格好となった。

 

振り飛車だけでは難しいと即座に判断し居飛車を指し始めた金澤敏明氏。

 

このようなシンプルな振り飛車を指されると「負けられない」という自責の念が生まれると試合後語っていたのが印象的だった。

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