伊藤流を受け継ぐ金澤敏明氏と澤村明憲氏の夏季セミナーより、三間飛車を考察。

金澤敏明氏と澤村明憲氏が語る石田流将棋

 

金澤敏明氏と澤村明憲氏が考える三間飛車

 

伊藤流を受け継ぐ金澤敏明氏と澤村明憲氏が毎年開催している伊藤流夏季セミナーより。

 

三間飛車についてのやり取りをお復習いする。

 

セミナー参加者からの質問でこんな問いが投げかけられた。

 

「私は最近、いろいろな将棋の戦法をインターネット等で研究していて、目にする限り、対振り飛車の どの書き込みを見ても、石田流は最近はすんなりいかないというニュアンスの記事が出てきます。「石田流三間飛車」は、仕上がりまでに懸案はあっても、育てば効果は絶大。実力のある人でも一筋縄には突破口を見いだせない将棋の業だと思うのですが、お二人はどう考えますか?」との問いだった。

 

まず澤村明憲から見解を述べた。

 

「石田流に組んだ型は将棋の一つの模範とする形であって、だから簡単に組ませてはいけないとセオリーではあると思いますが、ある程度のレベルの闘いでは組もうとする側と簡単には組ませてくれない相手との狭間で色々な駆引きが生まれるんですよね。それが混戦になって拮抗した闘いになる将棋のおもしろさでもあって考える面白さなんですが。」と回答。

 

続いて金澤敏明氏が補足する。

 

「究極の話になりますが、仮に組んだら羽生さんにでも勝てるかと言えば、絶対そのような事はありませんし。対石田流では棒金などの戦術も対抗策にはなりますし、あまり固執する必要も無いかとは思いますが。石田流も見ているとすごく進化しているので、狙われることもないとは思います。あと、美濃囲いや矢倉囲いは例え相手に組まれても、自分も同じ囲に組むことができるから個人的にはおすすめします。ただし「居飛車穴熊」は簡単に理想形に組ませると相手に狙われやすい場合もあるので注意は必要です。」と述べた。

 

この意見から一つの正解を見いだすのは困難だが、三間飛車に対しての考えは整理することはできそうだ。

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